用語補足
用神......四柱推命で鑑定する時に考える、取り入れることでその人にとって人生を良くすることができるもの。偏ったり、歪みがある運勢を修正していくためのもの。楽しく喜ばせるだけのものとは限らない。様々な用神取扱法がある。
私が四柱推命で鑑定するときは、どのようなご相談であれ、用神を出します。(流派によっては用神を使わない流派もあります)お仕事のご相談もそうですが、現在のお仕事を続ける場合は用神の性質を取り入れる観点で見たり、運勢などを中心にみていきます。
今から就職や転職するという方には、業種も含めた用神のお仕事の話をしています。用神の仕事をしていれさえすれば問題ないかというと実はそうでもありませんが、概ね手助けしてくれるものです。それについて、今回は私の話をしますね。
用神の仕事
私は母に勧められて天然石屋の仕事をしていました。なぜ勧められたかは、手先は器用な方で、小学生の時からアクセサリーを作って大人相手に夜店で販売していたくらいでしたので、良いと思ったのでしょう。20代入ってすぐの頃で、仕事の内容はお客様の目の前でアクセサリーをオーダーで作ったり、お悩みを聞いたりする制作と販売の仕事です。のちに店長も経験しました。私の用神は金(正確には庚)で印星ですが、偶然にもこの天然石屋の仕事も用神の仕事でした。アクセサリーだと辛になりますが、鉱石だと庚になりますね。原石も扱っていたのでそこそこ用神と言えると思いますが、この時は四柱推命とは出会っていなかったのでそんなことは知るよしもありませんでした。
物作りが得意で絵などの表現もできるのは食傷の特徴です。話すことに長けているのもそうですね。(一部の十干の食傷持ちは例外の場合があります)私は食傷が大過しているため、得意なこの力を活かして制作、デザイン、接客の仕事をしていたためか、お客様からはよく「天職だね〜」と言われていました。私も仕事を始めてから石がとても好きになりましたし、お客様のことは大好きでした。今でもこの時の経験はとても役に立っています。
しかし、用神の石の仕事とはいえ、行っている内容は食傷ですから、辛さが出てきます。もともと食傷大過で組織的な立ち回りは向いていないのに、だんだん別の店舗のチーム調整をする仕事などを任せられるようになりました。食傷が効いている人はわかると思いますが、上司(夫)に歯向かう傾向があります。私は上司(社長)への怒りをエネルギー源に仕事をしていました。(なんちゅう…)まさに食傷テンプレ通りですね^^;
用語補足
大過……多すぎること。もりもり。
食傷……四柱推命でいう通変星、食神と傷官のこと。(漏星/泄星ともいいますが私が好んで使っていないだけです)
印星……四柱推命でいう通変星、偏印と印綬(正印)のこと。
十干……古代中国で日にちを表していたもの。現在は年や月、時間にも使われて暦になっている。
甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸の10種類。
食傷を使いすぎたこと、ただでさえ食傷大過なのに、さらに増える時期が来た時に辛くなり、辞める決断をします。この時に今の師から四柱推命と出会い、自分の特性と必要な物(用神)を知り、食傷を活かすだけではバランスが取れないことを初めて知りました。そのまま師に教えを請い、次の仕事も用神の仕事を勧められました。
そこで少しでも機械の仕事をしようと思い、未経験ですがWEBデザインの仕事をすることに決めました。(要素的には金と火で捉えています)最初は大変でしたが、おかげさまでもう9年になります。自分では天職と思ったことはありませんが、会社員時代より収入は増えて食べていけているので適職だなと思います。デザインをして手先を使っているので食傷の領分も使っていますが、フリーランスで働いているため、組織でないのが楽ですし、暴走している感じはありません。今振り返れば、石屋では用神の仕事であっても、自分の食傷大過に流されて負けてしまっていたのです。
四柱推命の鑑定では、たくさん持っている星を活かす方法もあるかもしれませんが、私の場合は大過している星を積極的に使う判断はほとんどしません。(例外はあります)なぜなら、すでに持っているものは確かに個性で得意な長所なのですが、逆にいうと息するように自動的にできてしまう才能だからです。意識しなくても使ってしまう、流されてしまう、と考えます。程よくあればそのまま使いますが、大過していると簡単に引っ張られて流されてしまうのです。私の場合だと食傷の要素はあらゆるところで、無意識レベルで使っているのを自分でも知っているので、あえて意識的に増やすようなことは避けなければなりません。たくさん持っているものほど苦も無くできること、特別に意識しなくても行っていることだと言えます。それは確かに素晴らしい長所なのですが、それにだけに頼って使っているとバランスが偏りしんどくなってしまうことが多いと考えています。
占いは長年学んでおり、私の用神、金は通変星でいうと印星になりますので、勉強は用神と捉えます。好き!楽しい!な気持ちはいかにもたくさんある食神が効いているとは思いますが、勉強は一生続けながら仕事をしていこうと決めております。そもそも、四柱推命の勉強に終わりなどありませんが、終わりがないのは喜びでもあります。学び始めて10年経ちましたが、飽きる気配など一向にありませんし、むしろ興味が深まっています。WEBデザインの仕事と兼業で、のんびりでも長く続けていこうと考えています。
今の状態で取り入れられることを
鑑定では、無理に転職をした方がいいとかのお話はしません。転職を心に決めているなら用神のお仕事の話をしますが、今のお仕事のままでできること、取り入れられる用神の性質のお話をしています。もちろん流されやすい傾向があればそのことも。同じ十干でも身弱の方と身旺の方でご提案する内容も当然違いますし、通根がない方は自分で作ることもおすすめしています。ご相談される方は転機や仕事の辛さが増す運勢が来ていることも多いので、気をつけることなど、合わせて総合的に判断いたします。さらに、家庭のことは仕事にダイレクトに関係することがありますので、時間があればその辺りもみさせていただくことが多いです。
なるべく総合的な観点での鑑定を心がけていますので、よければお仕事のお悩みについてもご相談くださいね。お待ちしております。
用語補足
身旺(身強)......自星や自星を増やす要素が多い命式のこと。判断ポイントは流派によって様々。
身弱……自星や自星を増やす要素が少ない命式のこと。判断ポイントは流派によって様々。
通根……天干と同じ五行の地支が命式にあること。天干を強める働きがある。基本的には日干が通根しているかをまずみる。1つか2つあると、物事を行う力や持続力が備わっているとみる。